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ウクライナ人母子支援基金

​サンスター日本語学校のボランティア部につきまして
​サンスター日本語学校校長:兵頭博

ポーランドの古都・クラクフは人口およそ80万の美しい街です。私はこの綺麗な街で日本語学校を主宰しています。

本校はカルチャーセンター的な存在で、下は10歳から60歳まで260名のポーランド人がスクーリングまたはオンラインで週3回の授業を楽しんでいます。

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私が大学在学中にフランスで奉仕活動に参加して以来、将来、奉仕活動をライフワークにできないものか、と思っていました。後にポーランドの古都・クラクフにて日本語学校を主催するにあたり、ボランティア部を開きました。その以後、東日本大震災の復興支援企画やワールドユースデーでの支援などで生徒たちと共に汗を流してきました。

ウクライナ戦争勃発

今回のロシアによる宣戦布告なき攻撃はウクライナだけでなく、ポーランドにも甚大な衝撃を与えました。事実、攻撃直前までまさか本当に戦争が起こるとは誰も予想していなかったのです。そしてウクライナから恐怖に怯えた難民の津波が押し寄せてきました。

私たちの日本語学校付属のボランティア部も即時にカリタス・ポーランドと提携して支援を開始しました。

ポーランドの人口がおよそ3000万人。それに対して最大で360万人のウクライナの方々が命からがら押し寄せてきました。本校の拠点である古都・クラクフ市には人口80万に対し、26万人が押し寄せてきたという記録もあります。

​私はフランスで学んだ奉仕方針に則り、自分でできる分野と範囲を冷静に分析、できるだけ地元の方々と提携して活動することにしました。そこで行き着いたのが炊き出し場と支援物資センターでの作業でした。

​一日配給できる限界が4000食分。それを生徒たちと必死になってウクライナの皆さんに配りました。2月末からの1日の休みなしの奉仕活動がまさか6月末まで続くことも誰も予想できませんでした。

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子供たちのケア

食べ物やトイレットペーパーだけでは人は幸せになれません。事実、この炊き出し場に毎日通う母子をマクドナルドに連れて行ったところ、「こんなに美味しくて華やかな場所は開戦以後、初めてだ」と号泣されたのです。それをきっかけにマクドナルドやウオーターパーク、乗馬レッスンなど子供たちもその母親たちもささやかながら癒せる機会を提供するプロジェクトも始めました。

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突然の支援センター閉鎖

そして6月30日を以ってほとんどの支援センターの閉鎖、撤去が突然通達されました。その理由やいきさつは私には分かりませんし、分かったとしても、余りにも規模が大きすぎる支援プロジェクトのため、私たちに具体的に救済する手立てなどありません。

4月ごろのピーク時と比べ難民の数も減ってきているものの、クラクフ市に残る約5万人のほとんどが故郷や愛する人々を殲滅させられ、行き場を失った方々なのです。その分、今回の支援センターの閉鎖は死活問題に直結するほど深刻な出来事でした。

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